はじめに ~シミュレーション教育について~
シミュレーション教育は軍隊や航空業界など,生命と密接に関係する
分野で盛んに行われている教育手法です.
従来型の教育手法(いわゆる「講義」「座学」など)でも学習者の
「知識」を高めることは可能ですが,「コンピテンシー」(知識に
基づき行動・実行することまで含めた能力)を向上させるには不十分です.一方,シミュレーション教育は「コンピテンシー」を伸ばしうる有効な教育手法として注目されています.
他のどの年齢よりも脆弱な患者を相手にする新生児医療においては,
手技の小さな間違いやちょっとした判断・対応の遅れが,児の生命や
神経学的予後に大きな影響を与えうるため,本来,シミュレーション
教育がもっと活発に行われて然るべき領域です.しかし,新生児医療に
おけるシミュレーション教育は,新生児蘇生法(NCPR)にほぼ限定
されてしまっているのが現状です.
NeoSim-Jって?
NeoSim-J は国立成育医療研究センター 新生児科が主催する,
新生児医療に特化したシミュレーションセミナーです.
シミュレーショントレーニングにはきちんとした方法論があり,ただマネキンを相手に状況を仮想して練習するだけでは,高い学習効果は得られません.
NeoSim-Jでは,シミュレーション基盤型教育で有名なハワイ大学シミュレーションセンター「SimTiki」や,医学教育学で定評のあるマーストリヒト大学(オランダ)において,教育の理論と実践を学んだスタッフが,質の高いシミュレーショントレーニングプログラムを提供しています.
NeoSim-J の目標
すべての学習者が,臨床の現場において
安全で質の高い診療を自信を持って行えるようになること
NeoSim-J で扱うテーマ
本セミナーで扱うテーマ(手技や判断・対応)は,年度によって多少
変わります.たとえばこれまでには,
「臍帯カテーテルの留置」,「気管挿管」,「心エコー」
「腹部エコー」,「胸腔穿刺」,「人工呼吸管理中の急変対応」
「母児同室中の急変対応」,「早産児や外科疾患児の出生時対応」
「両親への説明と告知」,「新生児の診察」
をテーマとして開講してきました.
NeoSim-J 2019のプログラムの概要は6~7月に告示する予定です.
お楽しみに.



